日本実験力学会
実験力学分野における学術・技芸の目覚ましい進歩・発展に呼応してその対象分野を拡大し、新進の研究者を糾合するべく学会の体勢を新しく構築・整備するとともに正会員数の増強を図り、かつ学会の拡充を通して斯界の学術・技芸の発展と各種産業への応用に貢献することを目的としている。
oviceは日常的なバーチャルオフィス利用だけでなく、イベントやカンファレンスの開催など様々な用途で活用されています。今回ご紹介するのは、日本実験力学会の事例。
毎年開催される国際会議(The 16th International Symposium on Advanced Science and Technology in Experimental Mechanics)の中の日本の高専(高等専門学校)生によるポスターセッションでoviceを活用されています。
他のツールを検討したうえで、なぜoviceを選ばれたのか。初めてのオンライン開催を成功させるために、どのような準備や工夫を行われたのか、お話を聞きました。
※肩書は2021年11月当時
日本実験力学会はこれまで毎年様々な場所で国際会議を開催してきました。今回oviceを利用させていただいた高専(高等専門学校)生によるポスターセッションも国際会議の中の1つのコンテンツとして毎年行われています。
昨年(2020年)は8月に開催を予定していたのですが、数ヶ月前から新型コロナウイルス拡大が始まり、対応が間に合わずに完全に中止となってしまいました。
当初はビデオ会議ツールで開催するアイデアもあったのですが、運営側である学会メンバーはともかく、ホスト校のスタッフがいきなりオンラインで開催するのは難易度が高すぎると判断されたためです。
今年はリアルとオンラインのハイブリッドで開催する予定だったのですが、想定以上に新型コロナが広がり、完全オンラインに。ただ昨年とは違い、オンライン環境にもある程度慣れた状態で、かつ準備期間に余裕があるということで、オンライン開催に踏み切りました。
昨年(2020年)検討にあがったビデオ会議ツールを使った開催を当初は模索していたのですが、いくら部屋を分けることができるといえど、やはり移動がしづらい。
ポスターセッションは、発表者である高専生と聞き手の審査員の先生が主な参加者なのですが、多くの発表を気軽に聞ける状態を担保するには、ある程度の「移動のしやすさ」が必要となってきます。
次に検討したのが、バーチャル空間上を移動できるツール。
ovice以外もいろいろと調べたのですが、例えば十字キーでしかアバターを動かせなかったり、同時に複数の声が入らなかったり、実際のセッションの情景を想定すると現実的でない理由が複数出てきて、最終的にoviceに決定しました。
初めて使うツールなので、サポートの手厚さも重要な要素として考えていたのですが、oviceは日本人スタッフが迅速に丁寧に質問や疑問に対応してくれたので、一番安心感を持てました。
また、ポスターを画面に表示させたり、画面共有を即座に始められたりなど、機能面でも一番理想に近いツールだったので、今年のポスターセッションはoViceを活用しようと決めました。
まず、運営としてツールに慣れる必要があると思い、本番の1ヶ月前に大学の懇親会でoviceを使わせてもらいました。実際にoviceを触ったことで、使い勝手を把握することができ、どのような点を事前に解消したら参加者全員がスムーズに使えるかをイメージできました。
次に、参加者へのレクチャーを行いました。今回7つの学校から9人の学生が発表者として参加したのですが、全員に対してマンツーマンで30分ほどoviceの使い方を説明する場を設けました。
また、レイアウトも私がIllustratorを使って作りました。ovice運営が出してくださっているポスターセッションのテンプレートを参考に、毎年行われているリアルなセッションの会場に近づけるイメージで設計を行いました。
大成功でした!セッション後に参加者にアンケートを取ったのですが、「oViceを使って何か問題がありましたか?」という質問に対して、ほぼ100%が「ない」と答えられていました。
「あれだけ多くの人が集まって意見交換ができるのはすごい」「直感的な操作で使いやすかった」「今までにやったことない形だったけど、面白かった」など、ポジティブな声が多く挙がって、本当に使ってよかったと思っています。
来年以降も同じようなポスターセッションを開催する予定ですが、今回の取り組みで開催の選択肢が広がったように感じます。
次回以降も「今回みたいにオンラインツールでできるならやってほしい」という要望が出ています。
場所の縛りがないのがオンライン開催のメリットだと痛感しています。もちろんリアルはリアルで特有の良さはあるかもしれませんが、次回以降もoviceをフル活用し、直接来られる人は直接、移動に時間がかかって二の足を踏んでいる人はオンラインといった形で、ハイブリッドで開催してきたいと思っています。