

日本商工会議所青年部(伊勢崎商工会議所青年部)
日本商工会議所では、年に1度、全国の会員を集めた全国大会を開催。2026年2月24日~28日に、群馬県商工会議所青年部連合会が主管となり「第45回全国大会 つる舞う形の GUNMA いせさき大会」を行った。
毎年開催されている、日本商工会議所青年部の全国大会。これまでは大都市での開催が中心でしたが、今回は地方都市である、群馬県伊勢崎市中心に行われました。
今回掲げたコンセプトは「ハイパーローカル」。地方都市でも、工夫を凝らせば全国大会は開催できるということを証明するため、イベントはリアル会場とオンライン会場の2本立てで構成され、オンライン会場でoviceが活用されました。
今回は、伊勢崎商工会議所の新井さまに、ovice活用前の課題感や、oviceを選んだ決め手、実際に活用した際の工夫などについて、話を伺いました。

ーまず、今回の全国大会について簡単に教えてください。

新井さま:日本商工会議所青年部では、毎年1回、全国の会員を集めた全国大会を開催しています。これまでは大都市での開催が中心でしたが、今回「ハイパーローカル」をテーマに、地方都市で開催することになり、主たる開催地の青年部となったのが伊勢崎商工会議所青年部です。全国から数千人が集まり、基調講演や分科会に参加し、交流することを目的としたイベントです。
実際の会場には約8000人が来場。オンラインでの参加者も数百人に上りました。
ーこれまでもオンラインを活用してイベントをされていたと思いますが、ovice活用前はどのような課題をお持ちでしたか。
新井さま:これまでの全国大会でも、ビデオ会議ツールを使ったり、YouTubeで映像を流すなどして、オンラインでも参加できるようにしていました。ただ、それだと視聴者は画面を見ているだけになってしまい、参加者同士がコミュニケーションを取る場がほとんどありませんでした。
こうした中、「オンラインでも、自由に交流したい」という声も会員から出ていたこと。そして何より、登録費を払ってご参加いただいている方に対して、実際に来場された方と同じような熱量を感じてもらえない課題を何とか解決したいと考えていました。
ーなるほど。そうした課題解消のため、「交流」できるオンラインのサービスを探していたのですね。その中で、oviceを知ったきっかけは何でしたか。
新井さま:oviceを知ったのは、知人からの紹介がきっかけです。
その方はoviceをオフィスとして利用しているのですが、オンラインでありながらリアルに近い体験ができるサービスとして、oviceをすすめてくれました。
ーoviceを選んだ決め手は何でしたか。また、他に比較したサービスがあれば、それも合わせて教えてください。
新井さま:アバターを動かして、相手に近づくだけで会話ができるという仕組みが、リアルな会場の感覚に近いと感じたこと。そして、ゲームのように直感的に使えると感じたことが導入の決め手です。
実は3Dのバーチャル空間も検討していたのですが、過去の全国大会で3Dツールを使った際、「操作が複雑で、とっつきにくい」という声がありました。また、開催会場のネットワーク環境を考慮すると、強いネットワークを必要とする3Dのツールよりも、oviceのような2Dの方が安定して運用できると判断し、oviceに決めました。
ーoviceを活用する上で、工夫されたポイントはありますか。

新井さま:oviceのレイアウトをできるだけリアルの会場レイアウトに近い形で設計したことです。実際の会場の配置をイメージしながらレイアウトを組み、「どこに何があるか」を、参加者が直感的に分かるようにしました。調整も含めると1ヶ月ほどかかりましたが、現地の雰囲気に寄せることに徹底的にこだわりました。
また、オンラインで参加した人が、「今どこで何が開催されているのか」がすぐに分かるよう、タイムテーブルをovice上に設置して、ぱっと見られるようにしました。
ーoviceを活用して、良かったことは何ですか。
新井さま:オンライン会場であるoviceのスペースを、「ロビー」として機能させられたのが、特に良かったポイントだと感じています。
これまでの大会のオンライン配信は、基調講演や分科会など、それぞれのコンテンツへの入口がバラバラで、参加者が今どこで何が行われているのか、どこからアクセスすれば見られるのかが分かりづらい状態でした。
oviceに入ることで、今行われているコンテンツが一目で分かるため、参加者が迷わずにコンテンツを視聴することができたと感じています。
ー各コンテンツはどのように配信されましたか。その時の参加者の様子も教えてください。

新井さま:主にYouTubeでの配信を行い、それをovice上でも見られるようにしました。
参加者は、ovice上のYouTubeオブジェクトに近づいて内容を視聴することはもちろん、参加者同士がovice上で会話している様子が見られ、リアルな会場と同じような活発な交流が行われていたのが印象的でした。
ー空間設計やコンテンツの配信など、さまざまな工夫をされていますが、今回のovice活用の目玉は何でしょうか。

新井さま:今回の目玉は、「窓」機能を使った会場の様子の配信です。
会場の様子を、「窓」を介してovice内で配信することで、オンライン参加者も、現場の様子をリアルタイムで見ることができました。
YouTubeの配信と「窓」の一番の違いは、現地の会場とオンライン会場の人が互いにコミュニケーションを取れることです。オンライン会場の方が、実際の会場を見ながら会話したり質問したりできるので、実際の会場に足を運んで参加しているような体験ができたのではないかと思います。
ー「窓」を使ったコミュニケーションで、印象的なものがあれば教えてください。
新井さま:奈良からオンラインで参加した方が、「窓」を通じて、「裏方の様子も見られますか?」という質問をしてくださったのが印象に残っています。
実はこの方は、次回の全国大会を開催する都市の商工会議所のメンバーの1人です。実際の会場の様子を「窓」を介して見ることで、実際の会場の設営の様子や当日の雰囲気などを感じることができ、運営イメージを具体的に持ってもらう機会になりました。
ー逆に、活用の中で苦労した点はありますか。
新井さま:一番の反省点は、ネットワークの整備です。今回の全国大会は、実際の会場に約8000人が参加する大規模なものだったので、ネットワークに負荷がかからないよう最新の注意を払い、準備しました。ただ、やはり本番では会場のネットワークが混雑してしまい、oviceへの配信がうまくいかない場面もありました。次回以降は、ネットワーク環境の事前確認や、対策を強化したいと考えています。
ー参加者からの反応はいかがでしたか。
ただ、そうした中でも、参加者からの反応は良好でした。オンライン会場でコンテンツを視聴しながら、他の参加者ともアバターを介して交流できたため、「これまでのオンライン配信とはまったく違う」という声も多くみられました。
ーoviceをイベントに活用する上で、どんな可能性を感じていますか。

新井さま:oviceは単なる「ツール」ではなく「会場」だと思っています。実際の会場と同じように、そこに空間があり、人が集まって、自然に交流が生まれる。その感覚は、ビデオ会議ツールでは実現できないものです。
今回の大会でも、参加者が自発的に動いて、知らない人同士が話し始めるシーンがありました。「オンラインで参加しているのに、実際の会場にいる気がした」という感想をいただいたときは、本当に取り組んでよかったと感じました。
地方都市でも、工夫次第で全国規模の大会が開けるということを示すのがこの大会のテーマでしたが、oviceがあったからこそ、北海道から沖縄まで全国の人が「一つの場所」に集まることができたと感じています。実際に日本各地から足を運んでもらうのは大変なので、全国から参加者が集まれたという点では、リアルでは難しい部分を、オンラインで実現できたと感じています。
ー今後、oviceをどのように活用していきたいですか。
新井さま:今回の経験を通じて、全国から集まる大会の熱量を、オンラインでもしっかり伝えていくことができると実感しました。今後も、oviceを活用した取り組みを、続けて行きたいと考えています。
今回は全国大会での活用でしたが、地区ごとの大会でも活用できる余地は大いにあると考えています。例えば、関東ブロックという限られたエリアであっても、群馬と神奈川は距離がありますし、1か所に集まるのは容易ではありません。
昨年、埼玉県川口市で行われた大会は数千人以上が集まる大規模なものだったので、地区ごとの大会でもovice活用の余地はあると感じています。周年事業や各種イベントにも幅広く使えると感じているので、今後もovice活用の幅を広げ、より多くの人がつながる場をつくっていきたいと考えています。