イベントレポート

oVice、Zoom Video Communicationsとの業務提携によって目指す未来とは?記者発表会 事後レポート

2021-12-06

oViceは11月29日、今後のハイブリッドな働き方を後押しするような環境構築としてビデオコミュニケーションプラットフォーム「Zoom」を提供するZoom Video Communications, Inc.との業務提携を発表。今回の提携により、バーチャルオフィスoVice上でツール間の移動をすることなくシームレスなZoomのビデオ会議への参加が実現されました。

参考記事: PR TIMES | oVice、Zoom Video Communicationsとの業務提携を発表

新機能が公開された当日には、メディア関係者を招いた記者発表会をoviceのバーチャル空間上で開催。

今回の記事では当日の記者発表会の内容について、oVice株式会社CEO ジョン・セーヒョンとZoomビデオコミュニケーションズ ISVビジネスディベロップメントマネージャー佐野健氏のパネルディスカッションの内容も交えてご紹介します!

【記者発表会開催詳細】2021年11月29日(月)13:00〜 @oVice

「ビジネスシーンにおけるメタバース展開を目指して」oviceの未来構想

まずoVice株式会社CEO ジョン・セーヒョンより、oviceユーザーの利用傾向や、今後の構想について発表がありました。

◯ポストコロナで、よりポジティブな目的でoViceを導入するケースが増加

・「oviceはポストコロナで衰退していくのではないか」といった懸念の声もあったが、感染者数が少なくなっている中でも過去一番の成長率となっている。理由としては、ユーザーの導入目的がポジティブに変化してきていることが挙げられる。

・コロナをきっかけに慌てて導入するのではなく「物理的制約がないoViceを活用し国内外複数の拠点にいるメンバー同士のコミュニケーション活性につながっている」「オフィス縮小、オフィスビル売却等により削減できた固定費で、新規事業や福利厚生など従業員のための投資に充てられるようになった」などの事例が出てきている。

◯oviceはビジネスメタバースとしての価値を拡大していく

・oviceの価値はコミュニケーションツールに留まらず、今後は「ビジネスシーンにおけるメタバース」として展開していきたい。

・現在様々な企業で進行しているDXなどの取り組みが最終的にたどりつく世界は「メタバース」だと考えており、現実のオフィスを相互間もしくはリプレイスする手段として、メタバースが発展していくと予想される。そこでoviceは、次の2点を中長期の戦略として注力していく。
 1- オンラインとオフラインがシームレスにつながるハイブリッドな働き方を後押しする環境構築
 2- サービスの拡張性を高めるためのサードパーティー連携

◯ユーザー企業がカスタマイズ可能な「エコシステム」を目指す

・oviceはバーチャル不動産であり、空間としての価値を提供することに焦点をあてたサービスの開発・提供を行っている。サードパーティー連携によって、企業が自社のカルチャーやワークフローに合わせたカスタマイズできるようにすることを目指す。これにより、業務効率や生産性を最大限発揮できるようになると考える。

・加速するビジネススピードに企業が素早く対応するためには、状況に応じて機能追加やサービス連携ができることが重要だと考えている。

「oviceとZoomは補完し合える関係にある」

次に、oVice株式会社CEO ジョン・セーヒョンと、Zoomビデオコミュニケーションズ ISVビジネスディベロップメントマネージャー佐野健氏によるパネルディスカッションが行われました。

─oviceとZoom連携の狙いや背景について詳しく教えてください。

ジョン・セーヒョン(以下 ジョン):oViceはこれまでテレワークを行っている企業のバーチャルオフィスとして活用されてきましたが、その企業の多くがウェブ会議を行う際はZoomを使用しており、サービス連携を求める声が多数ありました。

外部とのミーティングをoviceでできない課題を解決するため、Zoomのサービスをoviceに組み込めないかと考えたのが提携のきっかけです。

また、企業において、oviceかZoomのどちらかを選ぼうとする傾向に違和感を感じていました。コスト削減の観点は理解できますが、oviceとZoomではお互い解決するものが違い、どちらか一方を選ぶのは合理的ではないんです。今回の連携が、オンラインでより快適に勤務できるようにするだけでなく、今後のハイブリッドな働き方を後押しするような環境構築への貢献のための一つのソリューションになると思いました。

─ZoomではISVプログラムの一環でoviceとの連携に至ったと思いますが、oviceを選んだ理由は何でしょうか。

佐野健氏(以下 佐野):oviceはバーチャル空間を提供しており、Zoomとバッティングするのではなく補完し合える関係だと思いました。また、海外で既にoviceのようなサービスと提携した事例があり、oviceとの提携についても実現可能なのではないかと確信していたのもあります。

oviceとZoom、両社が考えるこれからの働き方の変化

─コロナが落ち着き、働き方は今後どのように変わっていくと考えますか。また、それに対してどう対応する予定か教えてください。

Zoomビデオコミュニケーションズ ISVビジネスディベロップメントマネージャー佐野健氏

佐野:全社員が出社かリモートかのゼロイチに完全に分かれるのではなく、ハイブリッドな働き方に進むと見込んでいます。実際、ポストコロナでも弊社の業績は順調に推移しており、企業はツールをうまく使いこなしながら、新しい働き方に対応していくのではないかと感じています。

ジョン:アフターコロナの時代=コロナが終息した世の中ではオンライン・オフライン「どちらか」ではなく「どちらも」の選択肢をつくるのが、これからの企業にとって重要になってくると考えています。

また、ovice活用によってリアルなオフィスでは取れなかったオフィス内の行動や会話などのデータが、オンライン化により取得できるようになります。まだこれからではありますが、例えば蓄積されたデータをBIで分析し、会社の成長に活かせるようになれば、企業のDXはさらに加速されると考えています。

佐野:我々もお客様から「Zoomを導入することで働き方が変わった」という声をいただいています。例えば、従来のようなオフラインの会議では、参加者の誰かが議事録を取らなければ、そこで何が話し合われたのかが分かりませんでしたが、Zoomミーティングの録画機能で会議内容を録画すれば、参加しなかった人も後から内容を確認できます。Zoom社内では、Zoomミーティングを毎回必ず録画し、情報共有できるようにしています。新しい働き方により、情報の流通のしやすさにも変化が出てきているのではないでしょうか。

「今後はより実用的なメタバースが生き残っていく」

─最近、Facebookが「Meta(メタ)」へと社名変更したこともあり、「メタバース」というキーワードがトレンドとして急上昇しています。メタバースブームをどのように捉えていますか。また、会社としてどのように取り組んでいきますか。

ジョン:今後はより実用的なメタバースが生き残っていくと考えます。ビジネスにおいてメタバースが浸透していき、人々は物理的な制約がなくなることで、さらに個人の個性を生かして仕事ができます。

oviceとつながっていれば発話のログや、私がどこに移動したかのデータも取れます。それを議事録に起こすこともできますし、ハイパフォーマーはこうしなければならないというロジックを組むこともできる。そうしたいろいろなデータが集約され活用され、サステナブルに成長できる。サードパーティ連携等の取り組みを通じてそのようなビジョンを実現させていきます。

佐野:Zoomでは、メタバースに関して具体的な戦略を発表する段階には至っていませんが、今後力を入れていくのは間違いありません。今年9月に、ZoomとFacebookのメタバースの連携について発表しており、来年にはFacebookメタバース上のバーチャル会議室でZoomのホワイトボードが利用可能になります。

まとめ

セキュリティの制約やツール切り替えの手間から解放され、現実の貸会議室のような感覚で会議の実施が可能になった今回の業務提携。

oviceは「バーチャル不動産」企業としてさらに発展するべく、今後は日本でのさらなる利用獲得や認知度向上だけでなく、ポストコロナにおいてオフィス出社とテレワークをミックスさせたハイブリッド勤務においても快適に使える技術開発や、サービスの拡張性を高めるためのサードパーティー連携を行っていきます。

これからもどうぞよろしくお願いします!

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