コラム

能登の復旧と復興について、離れた仲間と一緒に考える

2024-03-12

2024年元旦に発生した能登半島地震。能登半島に位置する石川県七尾市も、断水や建物の倒壊など、地震による大きな被害を受けました。地震から約2か月が経過してもなお、七尾市内ではライフラインが完全には復旧していない場所もあり、石川県内外に二次避難している方も多くいらっしゃいます。

そんななか、石川県立七尾高校が「能登の復旧と復興」について考える探究学習を、2024年2月28日(水)にovice上で実施しました。これまでは実際に学校に集まって開催していたこの探究学習。オンラインで開催した経緯や、そこに込められた想いなどを取材しました。

「能登を良くするには」をテーマに行っていた七尾高校での探究学習

七尾高校における探究学習は、6年ほど前から実施されていました。例年は「能登を良くするにはどうすればよいか」をテーマに活動を行っており、今年度も同テーマで実施する予定だったなか、能登半島地震が発生しました。初めは活動自体を取りやめることも考えていたそうですが、「こんな時だからこそきちんと能登について考えていこう」と決め、テーマを「能登の復旧と復興」に変更し実施されることとなりました。

▲これまでは学校に集まって探究学習を実施

各所に地震の影響が残る七尾市

能登半島地震では、震度6強の揺れに見舞われた七尾市。発生から約2か月が経過した探究学習実施当日も、七尾駅や市内の道路などには亀裂が残っている場所があり、ガラスが割れたり看板などが落ちたりしている建物もありました。

▲七尾市内には地震の爪痕が残る場所も
▲屋根にビニールシートがかかった家も

七尾高校も断水こそ解消されたものの、水質検査を待っている状況。検査が終わるまで飲むことはできず、当たり前の日常に戻るまでにはまだ少し時間がかかりそうでした。

▲七尾高校の校舎
▲七尾高校内の冷水機は水質検査待ち

避難中の仲間とも一緒に、能登の復旧・復興について考えたい

地震発生後、七尾高校の生徒は約2〜3割が二次避難などのために高校に通学できない状態でした。そんななか、これまでに行っていた探究学習を離れた仲間とも「一緒に」行い、今後の能登について考えていけないか。さまざまな方法を考えた末に、oviceを使って実施することを決定。

探究学習には、七尾高校2年生の約200名が参加。七尾高校に通学できている生徒に加え、生徒の約1割は未だに二次避難中のため石川県内の別の地域や、遠くは九州などの遠く離れた場所にいる生徒もovice上に開設された会場に集いました。また、石川県金沢市に拠点を置く株式会社シェヘラザードが運営するプラットフォーム「コーチ探せる」に登録している約40名のプロフェッショナルコーチもボランティアで参加。プロコーチの皆さんは東京や大阪、北海道など日本各地、さらにベトナムのダナンやフランスのボルドーなど海外の都市からも、距離を超えてオンラインで集まっていました。

▲離れた仲間やプロコーチの方々がoviceで集う

所属や場所の垣根を超えて、能登について話し合う

探究学習は、理数科と普通科、文系と理系の垣根を超えて30チームに分けて編成され、各チームにプロコーチが1名つく形で実施されました。こうした背景の異なる生徒が集まって探究する活動を、七尾高校では「融合プロジェクト」と呼んでいます。各生徒が「能登の復旧と復興」についてそれぞれが考えてきたことを発表しあいながら、各チームにおける今後の探究学習の方向性を議論しました。

▲通学できた生徒は、各チームで同じ場所に集まりながら、ovice上で会話

それぞれの生徒たちが、時折恥ずかしそうな表情をみせつつ、各自が準備した資料を画面共有しながらチームのメンバーに向けて発表していました。発表の切り口は千差万別で、石川県にいた外国人が現在どこに避難しているのかを調べ、そうした方々に石川県に戻ってきてもらい一緒に復興をすすめていくにはどうしたら良いのかを考えた生徒や、能登の文化財や自然などの被害状況を調査し、そうしたものの復旧が能登の復興につながると発表した生徒など、さまざまな視点から発表が行われていました。

▲各テーブルで、画面共有しながら自分の意見を発表

探究学習の後半では、チームの数名が他のチームにアバターで「偵察」に行き、他のチームが何を話していたのかを共有。その内容を受けて、自分たちのチームが今後どういったテーマで探究を深めて行くべきなのかを議論しました。

▲テーブルを移動して他チームの発表内容を「偵察」

地域を超えて、被災地の未来について考えたい

探究学習に参加した普通科の中森さんは「離れた仲間たちとも、能登についてしっかり議論できました。実際に地震を経験したからこそ分かることもあるため、その経験を取り入れながらテーマを決めていきたいです」と笑顔を見せてくれました。

▲メディアからのインタビューを受ける生徒

今後の活動でも、oviceを取り入れることを検討してくださっている七尾高校。探究学習を担当する中村先生は「これまでにも石川県外の高校とつないだやり取りをしたことがあります。今回の経験を踏まえ、例えば東日本大震災で被災した高校などとoviceなどでつながり、互いの地域の復旧や復興についての学びを深めていく活動を行っていけたらうれしいです」と話してくださいました。

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