コミュニケーションの選択肢があるから“居やすい” オンラインフリースクール活用事例

2025-05-20
利用組織名

株式会社WIALIS(公式サイト:https://wialis.co.jp/

取材対象者
代表 中島由貴子さん
利用人数
約30名
企業・イベント概要

2022年11月に「不登校生の新しい居場所」として、オンラインフリースクールを開校。在籍校の出席扱いも目指せるオンラインの学校として、教員免許を持ったスタッフが登校や学習サポートを行う。バーチャルスクールで部活も自習もでき、授業以外のさまざまな体験を生徒に提供している。

活用のポイント
  • カスタマイズ可能なレイアウトを完全オーダーで、理想のキャンパスを実現
  • 多様なコミュニケーション手段(チャット・音声など)により、生徒一人ひとりの特性に合わせた対話が可能
  • アニメーションGIFによる季節の装飾で、自然な雑談や交流のきっかけを創出
  • 複数のフロアを使い分けることで、自習・交流・イベントなど多様な活動に対応
  • 外部とのコラボや出前授業を通じて、生徒の視野や将来への意識を広げる機会を提供

さまざまな事情で学校に通えない不登校生徒に教育や交流機会を提供するフリースクールの現場でも、メタバースの活用が進んでいます。「不登校生の新しい居場所」を目指すWIALISは、oviceを使いバーチャルキャンパスを運営しています。ビデオ会議ツールを用いたオンラインフリースクールとの違いについて、代表の中島さまにお話をうかがいました。

オンラインの居場所づくりには、コミュニケーションが大きく影響

ーオンラインフリースクールWIALISは2022年11月に設立されています。立ち上げのきっかけをお聞かせください。

これまで様々な不登校支援をしてきたなかで、自宅から出て活動することが心理的・体力的に難しい状況の子どもたちを多く目にしてきました。このような状況にある子どもたちが、自宅にいながら学習や交流ができる場をオンライン上で提供したいと思い、WIALISオンラインフリースクールを立ち上げました。

ーoviceのどのような特徴が導入・立ち上げの決め手になったのでしょうか?

導入の決め手になったのは、カスタマイズの自由さです。実際に当スクールのキャンパスデザインは完全オーダーでお願いしたので、理想通りのキャンパスを作っていただいて大変満足しています。

また、「リアルと近い感覚でコミュニケーションが取れる」「立ち話感覚で近づくだけで会話ができる」「空間内の他の場所の様子も分かる」といった機能面の特徴も、当スクールが求めていた条件と合致した点が決め手になりました。

実は、oviceを導入するにあたり複数社比較検討したのですが、空間内のデザイン性の高さ・雰囲気のよさ・機能面のブラッシュアップへの期待値も含めて、oviceを選んで良かったと思っています。

どんなシチュエーションでも、生徒が快適にコミュニケーションをとれるのがメリット

ー1日のうち、どのようなシーンでoviceを使いますか?

oviceを「バーチャルキャンパス」として開放しており、平日の開校時間(11時~16時)にスタッフ・生徒たちが集まります。多くの生徒が、11時にバーチャルキャンパスに登校し、15時近くまで過ごしています。

この場所では、リアルのフリースクールと同じように、勉強するもよし、趣味の時間にするもよし、グループ活動に参加するもよし、お友達同士で楽しむのもよし…と、どのように過ごすかは自由です。

実際は、きちんと学習計画に沿って勉強している生徒が多く、続いてクラブ活動やライブ授業などの活動への参加が多くなっています。

この他、入会前の面談やスクール説明会、スタッフの会議でも使用しています。

▲オンラインフリースクールWIALISの授業風景
▲オンラインフリースクールWIALISでのクラブ活動の様子

ーWIALISに通っている生徒の皆さんは、どこにお住まいの方が多いのでしょうか。

北は北海道から、南は沖縄まで、日本各地から通ってくれていて、中には日本に住む外国人の生徒もいます。その子とは主に英語でやり取りをしていますが、幸いWIALISには英語ができる先生もいますし、生徒同士も工夫してやり取りをしているようです。それもあってか、リアルな学校にはなじめずに悩んでいたものの、WIALISでは楽しく過ごせているようです。

ーoviceを導入して、どのような変化や効果を実感されていますか?

全生徒とオンラインで簡単にコミュニケーションを取ることができるので、生徒たちの状況や性格、特徴を把握しやすく、とても助かっています。

oviceにはコミュニケーションの選択肢があると思っています。顔出しやみんなの前での声出しに抵抗がある生徒も、チャットを使うことで複数名や1対1などで対話することができています。子どもたちが、顔を見せなくてはいけないというプレッシャーを感じづらいのでコミュニケーションのハードルが下がりますし、前述の外国人の生徒に関しては「容姿の違いを気にせずコミュニケーションがとれてうれしい」という話をしていました。また、声だけでも今の調子が判断できるのがありがたいですし、シチュエーションに応じたコミュニケーションを取れる点が、oviceの大きなメリットだと感じます。

また、ビデオ会議ツールだと、参加者同士がその場所以外でつながるのが難しいですが、oviceでは自然発生的に気が合いそうな子同士が会話し始めて仲良くなったりもしていました。

ovice内でのちょっとした仕掛けにより、「ここは学校より居心地がいい」と思ってくれている気がしています。

運営サイドでは、「ちょっと声をかけたい」という時に、わざわざビデオ会議ツールを立ち上げる、電話をかけるのではなく、リアルに近い感覚で会話できるのが、スタッフ同士のコミュニケーションに役立っています。

▲スタッフミーティングの様子

ーどんな仕掛けをしているのでしょうか。

oViceのスタッフの方にご提案いただいて、いくつかの仕掛けを試しています。

1つ目は、アニメーションGIF画像でのキャンパス内装飾です。季節に応じて、様々な装飾をしています。かわいいキャラクター達に喜んだり、クリスマスムードたっぷりのキャンパスで盛り上がったり…生徒同士でのコミュニケーションにも一役買っています。

これまでの装飾を一部ご紹介すると、ハロウィン、クリスマス、お正月、踊るゲームキャラクター、ヘディングするアニメ作品の主人公、芝生で転がりながら居眠りするパンダ…などです。女子生徒数名が、そのパンダを囲んでよく遊んでいます(笑)。

2つ目はスタッフのおすすめ音楽紹介です。テーマに沿って、スタッフがお勧めの音楽を持ち寄り、oviceのあちこちに音楽(YouTubeのBGM再生)を仕込んで、気に入った曲に投票してもらっています。

WIALIS公式ブログ|【1月限定】WIALISのキャンパスのあちこちで、おすすめ音楽を聞くことができます♪

ー複数のフロアを使われていると思いますが、使い分けはどのようにされていますか。

WIALISの校舎は3階建てになっているのですが、1階には自由に使える自習室や個室を作ったり、WIALISに通う生徒のプロフィールを置いたりして、生徒同士が互いのことを理解しやすくなるような工夫をしています。

2階は野外イベント風のレイアウトにして、子どもたち専用の交流用フロアとして使っています。

3階はメインホールとして活用しており、通信制高校の説明会を開催したり、ゲストをお招きして講演をいただいたりなど…さまざまな目的で使っています。また、卒業式や入学式などの学校行事でも、このフロアを活用しています。

▲2階の生徒専用フロア

‍ーovice上で実施している取り組みで、工夫されていることがあれば教えてください。

2023年3月から、WAO高校さんと一緒に、「Zoomで世界旅行」という取り組みをしています。具体的には、毎月ある特定の国を選定し、その国に関する4択クイズをovice上で行っています。その国に関する知識を深めた後、別の日に主にZoomを使ってその国を旅行しているような映像をみんなで視聴し、その様子をovice上でも一緒に見るようにしています。

▲高校との合同説明会の様子

こうした取り組みを一緒に行うことの効果は主に2つあると感じています。1つは、さまざまな国に対する理解が深まるため、新たな知識がつくことに加え、不登校で外に出られない子どもたちが「外に出てみたい」と思えるようなきっかけ作りができること。もう1つは、WAO高校さんと一緒に取り組みをすることで、WIALISに通う生徒たち自身が、高校生になったときに自分がどんな風に過ごすことになりそうか、どう過ごしたいかを想像しやすくなることです。

家から出るのが難しい子ども達でも、oviceを活用することで多くの人と接して、自分の未来について考えられるようになるのは、非常に貴重だと感じています。

ー先輩にあたる人たちと直接交流できるのは、おもしろいですね!

はい。実際WAO高校さんとの交流は、WIALISの子どもたちからも好評です。

WAO高校さん以外にも、特別出前授業として、月に一度、第一線で活躍している大人を招いてovice上で講演を行ってもらっています。これまでに、テコンドーのオリンピック金メダリストやアナウンサーの方など、さまざまな職種の方をお招きして話していただきました。

▲社会人講話の様子

今年度からは企業をお招きしているのですが、例えば「10代からできるお肌のお手入れの方法」などを有名企業の方に解説してもらったりと、生徒からの反応も上々でした。

oviceでこうした講演をすることで、子どもたちはもちろん、登壇する側からの反応が良いと感じます。アバターではありますが、実際に聞き手を目にしながら話すことができますし、拍手などのリアクションも音付きで聞けるので、臨場感があって講演しやすかったというコメントをいただいています。

「気軽に入れる」から子どもたちの居場所づくりに有効

‍ー今後、フリースクールや不登校支援の未来はどうあるべきだと考えますか?

「毎日決められた学校に通い、席に座って一律の授業を一日中受けることが必須」といった古くからの義務教育の形が変わっていくことが、不登校の問題を解決するために一番重要だと思います。

ここ数年で文科省・教育委員会・学校現場の取り組みも非常に進化していて、やっと少し前に進み始めたと感じているところです。

学校での集団活動や学校教育になじめない場合に、学校以外の教育の場を自由に選択できるようになり、学校に通っていない子が「不登校」というカテゴリに括られなくて済むような社会になるのが、不登校支援の目指す先だと考えています。

リアルのフリースクールに居心地の良さを感じて、学校に通わずフリースクールで毎日過ごす子もいます。身体的事情や特性でリアルな場所に通うのが難しく、オンラインフリースクールに居心地の良さを感じる生徒もいます。

今の学校教育制度では、フリースクールをはじめとする学校以外の場所で学んでいる子が、進路選択において不利になってしまうことがあります。どのような学習の選択をしても、同じスタートラインに立って、中学卒業以降の進路を選べる、そんな学校教育制度が必要だと考えています。

ー今後、御社として力を入れていきたいことがあれば教えてください。

WAO高校さんとの取り組みのように、コラボをすることで生徒達が色々な方々と交流できるような環境を作っていきたいです。

特に最近教育分野でoviceを活用している組織や学校は増えてきていると感じるので、そうしたところと一緒に新たな学びの形を模索・実践することで、子どもたちにとっての選択肢や可能性をさらに広げたいと考えています。

▲オンラインフリースクールWIALISでのホームルーム風景

ーoviceが役に立てることはあるでしょうか。

バーチャルキャンパスを活用したフリースクールはいくつかありますしそこに興味を持ってくださる自治体もありますが、やはり「ハード面でのハードルが高い」と思われるようです。

スマホアプリの提供など、oviceの進化を強く感じていますので、さらにたくさんの方が気軽に使えるようになって、oviceが「気軽に入れるバーチャル空間」であること、その特長から自宅から出られない子どもたちの居場所づくりに有効であることがもっと広く認知されるといいなと思います。

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