エイベックス・アーティストアカデミー「バーチャル教室」開始 オンラインの“モチベ低下”問題を解決

2022-04-13
利用組織名

エイベックス・マネジメント株式会社(公式サイト:https://aaa.avex.jp/e-business/

取材対象者
アカデミー事業グループ チーフプロデューサー森さん、竹内さん
利用人数
約100名
企業・イベント概要

アーティストやタレントなどのマネジメント事業を主幹とするエイベックス・マネジメント株式会社の人材育成事業。将来的に音楽業界で働きたい受講生に向けて実践型講義や現場研修などのプログラムを提供している。

活用のポイント
  • オンラインの講義が増え、講義前後の受講生同士の雑談や、スタッフへの些細な相談などが難しい状況に。受講生のモチベーション低下を懸念
  • 全体にアナウンスできる「メガホン」を使えば、グループワークの終了連絡も非常に容易

エイベックス・マネジメント株式会社が運営している、「エイベックス・アーティストアカデミー」ではアーティストの育成を手掛けると共に、音楽業界で働きたい人を育成するプログラム「エンタテインメントビジネスコース」を展開、2022年3月よりoviceを活用されています。

それまでのビデオ会議ツールを使ったエンタテインメントビジネスコースの運営では、講義以外のコミュニケーションが取りづらい状況となり、受講生のモチベーションが低下する懸念があったそう。受講生同士の雑談やスタッフへの相談など、リアルでは当たり前に行われていたコミュニケーションを復活させるべくoviceを導入した同社。導入の決め手から実感している効果、今後の展望までお話を聞いてきました。

雑談や相談がなくなり、受講生のモチベーションが低下

ーまず最初に、現在oviceを利用されているアカデミー事業について教えてください。

弊社のアカデミー事業は、2001年に東京で始まりました。将来的に音楽業界で働きたい人を対象に、音楽制作やマネジメント業務、ライブ制作などの実践型講義プログラムを提供しています。

2007年に大阪、そこから名古屋や福岡に拠点が増え、東京のスタジオの様子を各拠点に配信する形でのオンライン講義もコロナ禍以前より長年行っていました。2020年以降、新型コロナウイルスの影響で、受講生が各スタジオに足を運ぶことが難しくなり、ビデオ会議ツールで講義を配信し、自宅で受講してもらう形式が多くなりました。

今はコロナ拡大も当時よりは収まり、約100名の生徒のうち3割強がoviceを使ってオンラインで、約6割がスタジオに来て対面で講義を受けています。

▲oviceを活用したエイベックス・アーティストアカデミーのバーチャル教室と、森さん(左)・竹内さん(右)

ーなぜビデオ会議ツールからoviceに移行されたのですか?

ビデオ会議ツールを使っていた時は、講義自体は問題なく行えていました。しかし講義以外のコミュニケーション、例えば講義前後の受講生同士の雑談や、スタッフへの些細な相談などが難しい状況となったのです。

直接声をもらったわけではないのですが、受講生がモチベーションを保ちづらくなっていることを感じていました。途中から講義に来なくなる受講生がいたりと危機感を感じ、オンライン講義の形をツールから見直すことになったのです。

導入前からoviceのメリットを実感、ツアースペースでの体験

ー実際にoviceを使用されていかがですか?気に入った点など教えていただきたいです。

近づくと声が聞こえる、というのがリアルなコミュニケーションにかなり近くて気に入っています。おかげで講義以外のシーンでの雑談といった気軽なコミュニケーションが一気にとりやすくなりました。

導入を検討していた時に、oviceの公開スペース* でスタッフの皆さまからサポートを得られたのもかなり心強く感じました。ツアースペースでのコミュニケーションで「これはすごいな」と感動したのを覚えています。

* …oViceでは「ツアースペース」と称し、スペースを開放。担当者による説明会を開催しているだけでなく、自由に見学できる空間となっている。(URL:https://app.ovice.com/ws/demo-space/lobby/guest

検討段階からツアースペースでoviceを試すことができ、そのメリットと効果を実感しました。上長や決裁者もツアーに連れてくることができたおかげで迅速に理解を得ることができ、スムーズに導入できたように思います。

他のバーチャル空間のサービスは海外資本のところが多く、日本語のサポートがあるoviceは非常に好印象でしたね。

ー導入を進めていくうえで、困難に感じたことなどはありましたか?

受講生全員が対象となり、oviceの使い方をまとめて説明せざるを得なかったので、そこは工夫が必要でした。

oviceの壁に操作方法をわかりやすくまとめて提示したのと、「まずは使ってもらう」を方針に、積極的に利用機会を設けました。ちょうど年末だったので、oviceで忘年会を開催して慣れてもらうことを意識しましたね。

▲カメラの設定と、機能を解説した5つのステップを常時掲出している(画面中央)

oviceにある「空間」、“ここは快適”受講生のことば

ーoviceを導入して、受講者の反応はいかがでしたでしょうか。感想などがあれば教えていただきたいです。

一番覚えているのは、「ここはすごく快適ですね」という声です。バーチャル上の他の受講生やスタッフの存在を感じることができる、とのことでした。「ここ」というワードが印象的で、ビデオ会議ツール時代にはなかった「空間」を感じてくれたように思います。

スタッフ陣からも、ovice導入以前はほとんど会話する機会のなかった受講者と話すようになったと聞いており、確実にコミュニケーションが活性化されていることを感じています。

▲講義スペース(oviceを活用したエイベックス・アーティストアカデミーのバーチャル教室)

ー今後oviceをどのように活用したいきたいですか?構想などがあればお聞かせいただきたいです。

コースのプログラムの一環として、年に2回程度社員と受講者による交流会を開いています。コロナ以前は飲食店を貸し切って盛大に行われていて、参加者にとって楽しみな機会になっていました。

1年前にビデオ会議ツールを使ってオンライン交流会を開催してみたのですが、他のグループの様子がわからない、話せた人が限られていた、などの意見が挙がっていました。今年の2月にoviceで交流会を開いたのですが、その時の不満が見事に解消されていてとても良い会を実施することができました。

視覚的にも誰と誰が今話しているというのがわかって、近づくとどういうことで盛り上がっているのか知ることができる。話の輪に入りたければ入るし、リアルの交流会のようだったという感想が多かったです。こういった交流の機会は、今後も積極的に仕掛けていきたいですね。

また、受講候補生に向けた空間提供もしていきたいと考えています。講義の時だけ入室制限をして、それ以外はスペースを開放する。エンタテインメントビジネスコースに興味がある人は気軽に雰囲気を味わうことができます。

このようにoviceはいろんなことに応用できるツールだと思っているので、これからも様々なアイデアを試していきたいですね。

ーoviceに今後望むことはありますか?

強いて言うならアバターは今のようにアイコン仕様だとありがたいです。例えば3Dになったり、アバターがリアルになったり、というように進化する可能性ももしかしたらあるのかもとは思いますが、個人的には現在の2次元の形で、俯瞰して誰がどこにいるとかわかるのが使いやすいと感じています。

新たにほしい機能などは特に今は思いつきません。導入してから今まで、「ほしい」と思った機能は既にちゃんと備わっていることが多くて、まさに「痒いところに手が届く」ツールだと思っています。

リアルとオンラインのメリットを「いいとこ取り」できるovice

ー「ほしいと思った機能がちゃんと備わっている」と感じられたのは、どういった時でしょうか?

今では当たり前に感じている機能ですが、例えば「全体アナウンス機能」。講義の一環でグループワークをすることが多いのですが、終了案内を全グループにしにいくオペレーションが必要だと最初思い込んでいました。実際はこの機能で対応可能であることを、担当の方から紹介していただきました。

また、オープンスペースだけでなく、例えば鍵をつけることができる空間があればな、と思っていた時にプライベートスペースの設定を教えてもらったこともあります。oviceスタッフの方とコミュニケーションをとるたびに「よくできたツールだなぁ」と感心しています。

ー最後に、ここまでoviceを運用してきて一番印象に残っているエピソードを教えてください。

講義以外の時間、椅子のレイアウトがある場所に受講者たちが集まって、椅子取りゲームのような遊びをしていた時があったんです。導入当初、受講者たちが自然に集まってコミュニケーションをとる、そういう空間になれば理想だと思っていたので、そのシーンを見て非常に嬉しくなったのを覚えています。

僕が思うに、オンラインはリアルな良さがなくなるという側面もありますし、オンラインだからこそできることもあって、oviceってその2つのいいとこ取りなんですね。

oviceは現実空間のような感覚も得られるバーチャル空間として、「リアルの良さ」をオンライン空間に再現してくれていると思います。同時にoviceならばオンラインの利点も享受できるんです。バーチャル教室にはスタッフを常駐させているので、物理的な距離を感じることなくすぐに話を聞きにいくことができる。夜な夜なoviceに残って雑談するというのも、オンラインだからこそできることだと思います。

ー竹内さんは、コロナになってからの元受講生であり、現在エイベックス・アーティストアカデミーにお勤めなのですね

そうなんです。僕の受講生時代にoviceがもしあったら使い倒していたと思います。それくらいスタッフ・受講生にとって不可欠なツールです。これからもどんどん活用していきます。

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