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働き方事例シリーズvol.4「ワーケーション」~フレキシブルな働き方が人生の選択を増やす~

(インタビュー・執筆:稲葉めぐみ)
※本編の内容は、すべてインタビュー当時の情報です。

本シリーズでは、ビジネスメタバースの「ovice」を活用し柔軟な働き方を実現している方々の、「働き方」と「生き方」を紹介します。

コロナ禍で、「観光や働き方の新たな形」として広く認知されるようになった「ワーケーション」。観光庁が地方経済の活性化などのために推し進めているほか、自由度の高い働き方として注目が集まっています。

その中で、「ovice」を活用して、仕事と余暇のバランスを保ちながら、理想の働き方を模索している人達がいます。今回は、ワーケーションを実践するoviceのユーザーの方々とoVice社のメンバーに、ワーケーションを行ったきっかけやその過程で得られたもの、そして今後の働き方について、話を聞きました。

<参照>読売新聞オンライン|「ワーケーション」意義・効果を積極発信…官民で協議体発足、本格普及へ取り組み

ワーケーションは人を育てる「手段」。ジョイゾー流ワーケーション術

■インタビュイー

四宮 琴絵/株式会社ジョイゾー 取締役COO
 サイボウズ株式会社の公認SIパートナーとして、おもにkintone(キントーン)を活用したシステム開発やサービスを提供する株式会社ジョイゾーのCOO。システム39のメインエンジニアとして顧客の視点に立った提案やアプリ開発を経験、2019年より現職で会社の経営に携わる。

笹川 茉衣/株式会社ジョイゾー SIチーム
 株式会社ジョイゾーで「システム39」のエンジニアとしてシステム開発を行う他、リーダーとしてSIチームを率いる。

ワーケーションは「チームビルディング」に有効

ーワーケーションを始めたきっかけを教えてください

ジョイゾーでは、コロナ禍で「ワーケーション」が注目される前から、クラウドサービスを使用し、出張先や海外で観光をしながら仕事をしていました。20年頃に地方人材を積極的に雇用し始めてからは、フルリモートワークやワーケーションといった働き方がより自然に浸透してきたと思います。

会社が主導するワーケーションは、普段、離れた場所で働いている社員が実際に一箇所に集まって仕事をする機会として設けることも多いです。会社全体で見ると、これまでに20回開催しました。その中で、自治体の誘致を受けて行った初めてのワーケーションは、2021年の新潟県妙高市です。チームは、所属部署や入社歴が異なる社員を混ぜて選抜しました。私達は、「イノベーションは何気ない会話から生まれる」と考えていて、目的を達成するコミュニケーションばかりになることに危機感を抱いています。

その点で、ワーケーションは普段交流する機会の少ない同僚の「ひととなり」を知ったり、共通の話題で互いの考えを理解する貴重な機会だととらえています。

ー企業としてワーケーションを推奨する上で、心がけていることはありますか?

週末に開催する会社のイベントに合わせて観光をしたり、旅先の企業と商談したりなど、ワーケーションと一口に言っても、その目的はさまざまです。

当社では、お客様と関わる体験をその地域でできれば、ワーケーション手当を支給しています。

例えばお客様が建築に携わった橋を渡る、運営している交通機関を利用するなど、ワーケーションをリラックスができて楽しめるだけではなく、お客さまとの関係性もよくなるという相乗効果を狙っています。

チームのワーケーションで心がけているのは、「無理をしない」ことです。無理をして周りにリズムを合わせたり、体調が優れないまま参加しても良い結果は生まれないので、疲れた時は遠慮なく言えるよう、心理的安全性を大切にしています。

また、チーム内での情報共有も重視しています。「きれい」「感動した」といった感想はオンラインのツールで積極的に報告して、ワーケーション中ではないメンバーも体験を共有できるように心がけています。

そして、ワーケーション後にはブログに書いて記録を残します。ワーケーションを一過性のものにするのではなく、よりよい働き方を実現するために常にトライアンドエラーを繰り返しています。

持ち歩けるオフィス「ovice」で、ワーケーション中もメンバー同士が“つながる”

ーワーケーションに限らずoviceを利用していただいていますが、どのような感想をお持ちですか?

場所を問わず働く私達にとって、oviceは「どこにでも持ち歩けるオフィス」のような感覚です。仕事をする際は必ずoviceにログインするので、ワーケーション中でも「oviceにいる=仕事をしている」と状況が一目で分かるんですよね。

私達にとって重要なのは「プロジェクトを遂行する」ことであって、それが滞りなく進むのであればコミュニケーション手段や働く場所は問いません。oviceにアバターがいれば仕事中という事実だけが分かります。それ以外の情報を気にしなくて良いのが、oviceの良さだと思います。

ーワーケーションを重ねることで、得られたものはありますか?

皆、フットワークが軽くなりましたね。ワーケーションのおもしろさを体験したことで、自分の殻を破ったメンバーが増えました。旅先は仕事をしにくい環境ではありますが、工夫しながらやることで自己管理の能力も上がり、ワーケーションのハードルも下がってきています。

それに、ワーケーションを重ねたことで、若手社員が外部と関わる力も上がりました。

例えば、出張で現地の会社を訪問する際も「ジョイゾーの〇〇です!」と自信を持って行動できるようになった社員が多いと実感しています。社外で得られる知識や経験は、個人の成長にも大きく貢献していると感じています。

また、当社では全員がワーケーションを経験したため、ワーケーション中の社員の様子も想像でき、メンバー間でフォローする体制が自然と身につきました。結果的に、会社全体の業務効率アップにも効果があったと感じています。

ー今後、ワーケーションは世の中に浸透すると考えますか?

会社の理解さえあれば、ワーケーションは今後、より浸透すると考えます。その代わり、「なぜワーケーションをするか」という目的の設定が、主催側だけでなく、参加者ひとりひとりに問われると思います。

ワーケーションをやって終わりではなく、その経験を会社全体に還元する仕組みがあってはじめて、継続的なワーケーションのメリットを享受できると考えています。

その中で当社は、「当たり前を疑い、違和感を見極める力」を身につけたいと考えています。例えば、出社した方が成果が出るのに慣例的にテレワークを続けたり、逆に出社することで体力が削がれるのに出社を強制するのは本質的ではないと感じています。

テレワークやワーケーションはあくまでも手段であり、目指すのは自分たちが楽しく自律しながらやりがいを持って働ける環境づくり。当たり前を疑って、その都度適切な働き方を選べるようにしていきたいと考えています。

▽ジョイゾー社では、ワーケーションに関する記事を発信しています
ジョイゾー公式note JOYZOのENJOYワーケーション

バーチャルオフィス oviceの特徴や機能について詳しく見る

変化が激しい時代でも自分らしく生きるために。子連れ海外ワーケーションへ挑戦

■インタビュイー

蓑口 恵美/合同会社MIRAISE Head of Communications
 外資系広報代理店でキャリアをスタート。ランサーズ株式会社で、3年間で23の自治体と新しい働き方の事業を実施した後、株式会社ガイアックスとのダブル正社員として働く。2019年よりエンジニアに特化したシードVC、MIRAISE(ミレイズ)でHead of Communicationsを担当。家族構成は夫、長男(3歳)。

「グローバルな環境で子どもと一緒に成長したい」と思い、シドニーでのワーケーションに挑戦

ーなぜシドニーで親子ワーケーションをしようと思ったのですか?

自分のためであり、息子のためでもありました。

私達がワーケーションを計画したのはちょうどコロナ禍。世界中がコロナについて議論をする中、言葉の壁でその議論に参加できなかったり、情報をキャッチアップできない人を大勢見てきました。

そのため、息子にはテストで点を取る英語を学ばせるのではなく、「世界の人と共に考え、行動できる力」を将来的に身につけて欲しいと考えていました。しかしその方法は分かっていませんでした。

同時に、仕事や子育てで忙しい私達も、外の空気を吸ってリフレッシュしたり、考えをアップデートするための自己投資の時間が必要でした。

そこで、親も子どもと一緒に「まず、海外に行ってみよう」と思っていました。そして、現地で日本では得られない、色々なものを感じられたらと思いました。

シドニーを選んだのは、英語圏であり時差も1時間だったからです。将来シドニーに移住することに興味があったので、私にとってワーケーションは「小さな挑戦」でもありました。

ーワーケーション中に心がけていたことはありますか?

「冒険をしすぎないこと」です。

当時2歳半の息子は家と違う環境にいるだけで不安を感じます。彼の体調が崩れると挽回するのに時間がかかるため、家族が健康で安心して過ごせるように、できるだけ日本と同じルーティーンや食生活を維持するよう心がけていました。

1日は大体朝4時に始まり、7時位まで夫婦で働きました。

評判のカフェで朝食をとった後は、散歩をしたり、オペラハウスの近くの公園で子どもを遊ばせたりと観光やリフレッシュの時間にしていました。

帰宅後は、保育する人と仕事をする人に分かれ、それぞれ別の部屋で過ごしました。家族そろって昼食を食べ、午後は交代するという感じです。

単に住む場所を変えただけで、生活リズムは変わりません。そんななかでも、朝食を食べる場所がシドニーになったというだけで、毎日大冒険をしている感じが新鮮でしたね。

oviceを使うことで、海外でも日本の時と同じように仕事

ー仕事面で工夫していたことはありますか?

私の場合ワーケーション中は隙間時間での仕事になりがちです。そのため、日本で大きなプロジェクトや企画は終わらせておいて、シドニー滞在中はその後のフォローなどをするようにしました。

海外からだと距離を感じて不安になりますが、oviceのおかげで日本にいるときと変わらない感覚で仕事ができました。oviceに出社すれば仲間と雑談もできるので孤独も感じません。

ワーケーション中に、100人規模のオンラインイベントも開催しましたが、大盛況で終えることができました。

ー将来、親子ワーケーションに挑戦したい方に向けて、アドバイスはありますか?

親子ワーケーションを経験した方の近くに身を置くことが、一番の近道だと思います。

コロナ禍でどこでも働けることを世界中が経験したので、場所や時間にとらわれずにフレキシブルに働く人は今後ますます増えていくと感じています。親子ワーケーション経験者の背中を見てイメージトレーニングをしておいて、条件がそろったタイミングで行動に移すのが良いと考えています。

私ももともとは、「子どもを連れてワーケーションなんて……」と考えて思考が停止することもありました。ただ、できたらいいなと思って情報取集すると、ブログや動画からたくさんの事が学べました。

「できる」とイメージすることで、必要な要素が自分の周りにどんどん集まってくると思います。

ー今後、どのような働き方をしたいと考えていますか?

「自分がどうしたいのか」を大切にした働き方がしたいです。

これまでは、子どもがいる生活では諦めるものが多いと思い込んでいましたが、ワーケーションを経て、子どもがいても海外暮らしはできるし、キャリアも築けることに気づきました。

駐在生活でなくても「グローバルで柔軟な働き方だってできるんだ」と価値観が大きく変わりました。

子どもがいたからこそ、子どもの視点でもう一度世界を見直すこともできました。勇気を出して現地で出会う公園ママ達に話しかけ、家族ぐるみで友達になれたこと。コロナ禍の子育てやバイリンガル環境等について、帰国後でも情報交換できていることはとても嬉しいです。

息子の存在を通じて、私自身が「海外の人と共に考え、行動する」機会をもらっています。

子育ては24時間年中無休で動かなくてはいけません。だからこそ私自身が、「休む時間」も含めて自分を大切にできて初めて周りの人のことも大切にできると思うようになりました。毎日10分でもいいので「自分はどうしたいのか」を自分に問いかけ、意志を持って仕事に向き合いたい。ワーケーションはそのための一つの手段だと考えています。

蓑口さんが発信しているワーケーションの記事はこちら:子連れ海外ワーケーション(note)

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月どこかの旅先で働く。海外ワーケーションで気づいた私らしい働き方

■インタビュイー

薬袋 友花里/oVice株式会社 広報
 2020年11月にoVice社に入社。広報担当として、メディアリレーションやプレスリリース・ブログ等の記事作成を担当。夫との二人家族。

初めてのワーケーションで、仕事がはかどったことに感動

ーワーケーションを始めたきっかけを教えてください

前職の時に、木曜日が祝日の飛び石連休を利用して福岡に行ったのが、初めてのワーケーションです。当時勤めていた航空会社がワーケーションを推奨しており、上司が快諾してくれたことも後押しになりました。

私は元々旅行が好きでしたが、それまでは自費の旅行中に仕事をするのには抵抗がありました。

ところが、実際にワーケーションをしてみると、感動するくらい仕事がはかどったんです。仕事がある日でも夜はゆっくりできるので、駆け足で観光することもなく、無理なく過ごせると感じました。

それ以来、仕事を理由に自分の好きなことややりたいことを諦めるより、旅先で効率的に仕事をして、リフレッシュもできる方が私にはあっていると感じました。

今では毎月自宅以外の場所で過ごすほど、ワーケーションが日常の一部になっています。ワーケーションのスタイルもさまざまで、夫婦で行くことが多いですが、先日は同僚とマレーシアに行きました。

▲北海道の利尻島でのワーケーションでは仕事が始まる前の早朝に夫婦でウニむきも体験

ー時差がある海外でのワーケーションはどのように過ごしていますか?

パソコンとネット環境さえあればいつでも働けるので、基本的なルーティーンは日本とあまり変わりません。今冬に訪れたカナダは日本と13時間の時差があったものの、日本時間に合わせて活動しました。

カナダ滞在の最大の目的がオーロラ鑑賞だったため、日本時間に合わせたまま生活しました。そのため、現地時間の深夜も無理なく起きていられてオーロラ鑑賞できましたし、体内時計を調整することなく過ごせたので意外と快適でした。

私の場合、旅行先での目的に応じてフレキシブルにワーケーションを計画・実行することは珍しくないのですが、そうすることで、効率的に時間を使いながら気持ち的にも余裕が持てる気がしています。

旅先でも普段通り働けるという点で、oviceを活用した働き方はワーケーションととても相性がいいです。例えば広報の業務の一環として、社内コミュニケーションが必要な場合でも、oviceを使えばアバターで近づいて行ってコミュニケーションできるので、メンバーと気軽に会話ができます。

世界中どんな場所にいても、oviceに集まればいつも通り働くことができるんです。

▲カナダでのワーケーション中に無事オーロラ鑑賞を果たした際の様子

多様な働き方を知って、心が軽く

ーワーケーションによって得た気づきを教えてください

特に海外ワーケーションを始めてからは、「色々な働き方や生き方があっていいんだ」と思えるようになりました。

私にとって旅は、自分や自分が住んでいる場所との違いを見つけることで固定観念を打ち破り、好奇心を満たしてくれるものでした。海外ワーケーションをしていると、多様な働き方や生き方が見えるんです。

最近は日本でも多様性が重視されていますが、それでも「これが普通」という暗黙の最適解があるように感じてしまうこともあります。しかし、日本国内でも違いがあっておもしろいと感じることはありますし、特に海外では「違うことが普通」で、働き方もコミュニケーションの取り方もさまざまです。

ワーケーションを始めてからは、仕事で上手くいかないことがあっても、自分を責め過ぎず楽に生きられるようになりました。

また、「ワーケーション」のようなワークスタイルを理解してくれる仲間がいるから、仕事を続けられているんだなということに改めて気づける良い機会となっています。

「人のため」に行動することはもちろん大事ですが、たまには「自分のため」だったり、ゆっくりと自分を見つめなおす時間をとることで、改めて周りの人や環境に対するありがたみを感じることができる気がしています。

▲ネパールワーケーションではヒマラヤが見えるナガルコットでもリモートワーク
▲ネパールでの休日信仰心の篤さに感動

ー今後、どのような働き方をしたいと考えていますか?

今後も、場所を問わずに働くスタイルは続けていきたいです。場所の制約がなくなって選択肢が増えれば、プライベートを充実させることもできますし、私の場合いつでも実家の山梨に帰って家族のサポートをすることができるという安心感にもつながっています。

自分で主体的に働き方や生き方を選べるようになること、そして「ワーケーション」を含む働き方の選択肢がさらに拡がることで、それぞれが自分に合った生き方ができるようになると良いなと思っています。

薬袋(ミナイ)が発信しているワーケーションの記事はこちら:ミナイ|フルリモート広報@oVice(note)

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編集後記

今回は「ワーケーション」をテーマに、oviceユーザーの方々とoVice社員を取材しました。

「チームがより良く機能するようにしたい」「子どもや自分にとって良い環境を探したい」「趣味も仕事も大切にしたい」と、ワーケーションの目的は三者三様です。しかし共通しているのは、ワーケーションは理想の働き方や生き方を叶える「手段」の1つであること。またoviceはその働き方を応援するツールであることが分かりました。

このシリーズでは、これからもさまざまな「人生の選択」と「働き方」をご紹介していきます!

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フレキシブルな働き方が人生の選択を増やす


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